履歴とは何か？

PCの履歴ではありません。人間の履歴です。

昨日、家庭教師候補者の面接を行ってきたのですが、またもや問題のある方でした。

授業中に居眠りをした件の御仁は、どうやら立派に立ち直ったらしく、中２の女の子を順調に指導しているようです。よかった。

で、今回。元公立高校の英語教師。そんな良いポジションを「勧奨」によって失っている。

「勧奨退職」というのは、使用者が労働者に退職の誘引をすることで、俗に「肩叩き」というものらしい。

年齢からいって、退職金の増額につられて退職したということは考えられない。何かよほど大きな問題を起こして退職に追い込まれたのであろう。

その後、塾講師、家庭教師を経て、現在、ホテルの調理（パート）をしている。それはそれで結構である。でもどうして塾講師や家庭教師を辞めたのか？

また、面接をした際の態度が、元高校教師らしい上目遣い。授業のクオリティーは教材研究に費やした時間に比例する、とご高説。

いいんです、ここまでは。しかし、週１回１時間の指導というのがご不満のようで、もっと指導回数を増やせないんですか？経済的余裕が無いのですか？と。

ばかやろ～！最初は週１回１時間くらいから始めてうまくいくかどうか腕前を試されるというのが常道だろう。

生徒のお宅の財政状況まで聞いてどうする？こういうタイプの方、よく会社の契約を切って、高い時給を吹っかけ、個人契約を結ぶという例が多い。

いや、このくらいは許容範囲です。そうです。しかし、問題は、最後の発言にありました。

ま、考えさせていただきます、別に断ってもいいんですよね？面接ってこれだけですか？ときた。

さすがにカチンと。はい、面接はこれまでです。結果は会社の方から連絡がありますのでお待ち下さい、と。

この人からは、最初に履歴書を渡された。資格欄には、中学校教諭１級普通免許状、高等学校教諭２級普通免許状と誇り高く書かれていた。

そこまではいい。続けて、普通自動車第１種運転免許とは書かないほうがよかった。

元高校教師というプライドが、勧薦退職という汚点で台無しになるどころか、更なる疑惑を生むということを忘れていたようだ。

履歴の一番の強みが一番の弱点になるという矛盾。実に悲しい気分になった。

その後、中２の女の子を教えに。理科の教科書ワークの提出が近いのに全然やっていなくて、今日は、２時間全部をワーク対策にして欲しいとリクエスト。

しかし、頼まれているのは数学。この前のテストで１７点という心像破りのレコードを叩き出し、ご両親が強い不満を示されていた。

もう学年末テストが近い。今度こそ、数学でよい点をとってもらわねば。

だからね、まず数学のテスト対策をして、その後で理科のワークをしようね、と提案したが、それが気に入らない様子。

今日テンション低いからね、はぁ？、何それ？を連発する不機嫌さ。何で数学なんて勉強しなければならないの？ときた。

ここで説教をしてはいけない。できるようになれば数学も楽しいからね、となだめる。

何とかかんとか数学の範囲を終わり、理科へ。電気なのだが、全然分かっていない。分かっていないから、１問も解けない。焦る。嫌になるというパターン。

これじゃいけないと思いながら、ほとんど私が解き、答を書き入れさせる。

こんな授業の終わり方をすると、ほんと、次回から授業が成り立たないので、少し早めに終了し、世間話。

ここで急に生徒のテンションが上がり、次から次へとよくしゃべる。「まじ？」、「だよねぇ」を繰り返して必死に話題についていく。

きゃりーぱみゅぱみゅってヨーロッパで人気があって、フランスでは「キャワイィ～」がフランス語になっているらしいよ、なんて言うと「だから？」と。

あ、そうか、聞き役に徹しろってことか、と気付く。下手に「おっさん」突っ込みをすると機嫌を損なう。

結局、ドラクエがいかに楽しいか、さんざん聞かされ「授業」はエンドを迎えたのだ。ず～っとゲームだけやっていたい、と。

今日は２人。計４時間半。頑張るぞ！