2014年1月20日 日常
先日、午前中、はらはらと雪が舞ったものの、その後、また晴天。今日も晴天。いい加減、飽きてくる。

今日は、歯痛も治り、喘息も一段落ついたが、さて、明日は親知らずを抜歯することになるかも知れない。歯医者でのイベントで最も怖ろしいのが抜歯である。

ああ、それだけは避けたい。抜歯の後で授業をするなんて、この世のできごととすら思えない。

ところで、昔は石とか鉱物に対する興味はまるでなかった。しかし、マグマと岩石というところを教えていて、この分野も、なかなか奥深いなと思った。

マグマの冷え方で火山岩と深成岩に分かれる。斑状組織も等粒状組織も美しい。

無味乾燥な火山灰も、指でつぶして洗い、よく見れば、石英、チョウ石、黒雲母、カンラン石、キ石などの鉱物が小さいながら堂々とした結晶を成している。磁鉄鉱というのも面白い。

規則性の無い形をしているもの、六角形のもの、短冊状のもの、棒状のもの、いろいろある。そして、色も一つ一つ違う。

もし、もしもだ、私が生まれ変わり、理学部に入れるくらい数学ができたら、私は、是非、鉱物の研究者になりたい。

珍しい石があると聞けば、世界各地を飛び回り、様々な色や形をした鉱物を調査して、綺麗なものは蝶のようにコレクションし、研究室の棚に置く。

玄武岩や安山岩はありふれている。できれば、表面にコケが生えた鉱物とか、隕石とか、まるで万華鏡のような色の鉱物が集まってできた鉱物、そういうものを集めたい。

南極の氷の下にある石とめぐり合っては、考古に渡る歴史を語り合い、隕石を手にとっては、宇宙の誕生と消滅について思い巡らす。

そして、ああ、あの石が見たいと思えば、おもむろに棚からイメージ通りの石を取り出し、薄く薄く削り、顕微鏡のプレパラートに乗せて、そっと接眼レンズをのぞく。

電話が鳴っても、携帯やメールが来ても、誰がドアをノックしようが、私は、ただひたすらにその自然の造形美に耽溺し、いつまでもいつまでも奇跡が作ったステンドグラスを眺め続けるのだ。

いや、分かっている。そうして集め続けたコレクションの価値が他人には理解できず、私の2回目の死後、産廃業者が引き取り、まるで何もなかったかのように廃棄されることを。

新しい生徒3名の担当を逃れようと、メールに返信するのをサボっていたら、ついに携帯が鳴り、そろそろ返事をいただけませんか?と半ば脅しのような担当者の声。

オークション部屋へ行くと、机の上に積み上げた酒井和歌子さんが崩れ落ち、足の踏み場もない。このままだとゴミ屋敷になりそうだ。

早くスキャンして、秘密のサイトにアップしなければ。その後、再びオークションに出品して売ろうと思うのだが、落札者は現れるだろうか。

時折、私の頭をかすめる鉱物幻想は、こういう現実を反映しているのだと断言できる。

では、どうすればいいのか、考えても考えても、風呂の湯気に鈍い光が差し込むだけなのであった。

今日は、担当の受験生が推薦入学に合格したか否かがわかる日だ。もちろん、合格しか想定していない。




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