風俗が貧困女子大生の駆け込み寺になったのには、肉体関係を結ぶ上で厄介な問題がクリアされているということが一つの要因になっている。

ピルや安全な避妊具の登場で妊娠の心配がないこと、そして一般的な性病は治るということが重要だろう。

エイズや子宮頸がんなどのリスクはあるものの、それは、恋愛でセックスをする時も同じこと。

また、世間のセックスに対する意識も大きく変わった。カジュアルな肉体関係を複数の相手と結ぶのは当たり前のことだ。

私が交際していた相手には他の女性とエッチくらいしてもいいよという人が多かったし、病気さえうつさなければ夫が他人とセックスしても構わないという妻も普通にいる。

『女子大生風俗嬢』に登場する女子大生には交際相手がいる場合が多い。若干の後ろめたさは感じるものの、彼氏以外の男性と営業でエッチすることに大きな抵抗は感じていない。

昨日少し書いたが、この本に出てくる女子大生(男子大学生、大学院生も登場するのだが後述)の多くが、一流と言われている私大の学生だ。

入学金や授業料を考えると、もう国公立大と私大の間に大きな差はないので、もう少し取材対象を広げると、国公立の女子学生にも風俗嬢が結構いるということが明らかになるのではないかと思う。

また、統計が示されていないので、女子大生の何パーセントくらいが学費や生活費に困って風俗嬢をしているのか分からない。これは問題だ。

更に、女子中学生や女子高生も援助交際をしているわけで、肉体関係で金銭を得る行為は大学生に限ったことではない。

しかし、普通高校を卒業して就職することの困難さを反映して、5割強の女子高生が進学を選び、就職前線が大学生に持ち上がっていることは否めない。

大学は、大抵、モラトリアムの場であり、女子高生の多くが進学してくれれば、日本の失業率を4年間低めに誘導することができる。

著者の中村氏によれば、風俗女子大生のほとんどは両親が経済的に破綻しており、大学進学まで支援する財政力が無い。

また、単価の安い一般のバイトはブラックバイトが多く、労働基準法違反の勤務をまじめにこなしても、一ヶ月数万円にしかならない。

こうした一般のバイトで生活費と学費を稼ごうとする学生は、千日回峰顔負けの苦行をする僧侶のような毎日を送っている。悲惨そのものだ。

更に、学生を救うための日本学生支援機構は奨学金に利子をつけ、サラ金と何ら変わらない(第二種奨学金)。これは欧米でいうステューデントローンである。

奨学金に頼ろうと思えば卒業までに莫大な借金を抱えることとなり、しかも利子がついて、返済が困難になる学生が多い。

そこで単価の高い風俗で働く女子大生が増える。

「一流」大学の学生であれば、「一流」企業や官公庁に就職して、過去を問わなければ、上々の生活が送れる。

だが、Fランク私大の女子学生の方が数は多いはずだ。悲劇としか言いようのないのは彼女達だ。

明日また書きます。


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